華やかな芸能界において、容姿の美しさを保つことはある種の至上命令とみなされがちだ。しかし池脇は、その常識を軽やかに、そして大胆に裏切ってみせる。役が必要とするならば、醜さも、衰えも、疲労も隠すことなく全開でスクリーンに晒す。この姿勢こそが、彼女を他の女優たちから隔絶した存在に仕立て上げている。
『その女、ジルバ』で見せた変貌も、その執念の延長線上に過ぎない。作中で主人公が高齢バー「BAR FORTY TWO」で働くうちに活気を取り戻し、内面から輝き出していくプロセスを描くため、前半の「くたびれた姿」をあえて過剰なまでに提示したのだ。ドラマが回を重ねるごとに彼女の表情が引き締まり、美しさを取り戻していく様を目にした視聴者は、ようやく噂の誤りに気づき、その演技力に平伏することとなった。