大衆文化の領域でも、1960年はユニークな大ヒット商品や流行歌が次々と誕生しています。
玩具業界で空前の社会現象となったのが「ダッコちゃん(だっこちゃん)」です。黒い空気入りのビニール人形で、腕やカバンに抱きつかせるスタイルが若い女性を中心に大流行。玩具店には連日長蛇の列ができ、品切れが相次ぐ騒ぎとなりました。
音楽界では、股旅演歌の新星としてデビューした橋幸夫の『潮来笠』が大ヒットを記録し、第2回日本レコード大賞の新人賞を獲得。一方で、森山加代子が歌う『月影のナポリ』などの洋楽カバー(ロカビリー・ポップス)が若者の心を掴み、西田佐知子の『アカシアの雨がやむとき』は、安保闘争の挫折感と重なるアンニュイな名曲として時代を彩りました。