平昌で金、北京で銀を獲得した女子チームパシュートは、日本のお家芸として国民的な熱狂を生み出しました。当時のパシュート女子メンバー(高木美帆、高木菜那、佐藤綾乃、菊池彩花、押切美沙紀)が見せたミリ単位の隊列制御と息の合った先頭交代は、世界中のアナリストを唸らせました。高木菜那さんの引退以降、チームは佐藤綾乃選手を軸に、若手の堀川桃香選手や畠山雪菜選手らを組み込んだ新編成の構築を進めています。
一方で、SNSやメディア上ではスピードスケート女子かわいい選手という検索ワードが頻繁にトレンド入りするなど、容姿や私生活に過度なスポットが当たる現象が続いています。確かに、引き締まったアスリートの立ち振る舞いや競技中の真剣な表情がファンを惹きつける側面は否定できません。しかし、現場の選手たちが向き合っているのは、時速60km近い猛スピードで氷を削り、乳酸限界と闘う過酷な現実です。
関係者への取材でも、「ルックスをきっかけに競技を知ってもらえるのはありがたいが、本質はミリ秒を削る技術とフィジカルの鍛錬にある」という声が多く聞かれます。単なるアイドル視ではなく、極限まで肉体を追い込むアスリートとしての力量を正当に評価するメディアリテラシーが、今まさにファン側にも求められています。