昭和・平成を駆け抜けた「恋のABC」は、現在では日常会話で使われることの少ないノスタルジックな昭和レトロ言葉(死語)として認知されています。SNSや配信コンテンツで見聞きした若い世代からは、「分かりやすくて可愛い」「昔の人は律儀に順番を守っていたのか」といった新鮮な驚きをもって受け止められています。
2026年現在の恋愛シーンと昭和の「恋のABC」には、価値観の面で明確な変化が見られます。最大の相違点は「リニア(直線的)な段階論」から「多様なコミュニケーションと合意形成」へのシフトです。
マッチングアプリの普及やタイパ(タイムパフォーマンス)を意識した関係構築が当たり前となった現代では、必ずしも「A→B→C」と順番通りに時間をかけて進むことだけが正解とはされません。何よりも重視されるのは、アルファベットの順序ではなく「互いのペースを尊重する丁寧な同意(コンセント)」です。型にはまったステップを追うのではなく、当事者同士が納得する距離感を柔軟に選ぶスタイルが定着しています。