主人公・霧山修一朗を演じたオダギリジョーの佇まいは、それまでの主人公像を根底から覆した。ボサボサの髪に眼鏡、独特のテンポで繰り出されるとぼけたセリフ回し。彼が纏う空気感そのものが、作品全体のトーンを決定づけていたと言っても過言ではない。
その隣で抜群の存在感を放ったのが、麻生久美子演じる三日月しずかだ。霧山への秘めた想いを隠しきれず、時に暴走し、時に鋭いツッコミを入れる彼女のキュートで人間味あふれる演技は、単なるバディものの枠を大きく超えていた。ふたりの間に流れる絶妙な距離感と、定食屋や取調室で交わされる噛み合っているようで噛み合っていない会話劇。これこそが、日本のテレビドラマ業界におけるコメディの質感を一段引き上げた原動力だった。