かつてシリカ水といえば、九州の霧島連山や阿蘇火山帯など、特定の火山性地層から採水された天然鉱泉水が主流であった。しかし、2026年の市場は様相を一変させている。もみ殻や米ぬかといった未利用農産物から抽出した「植物由来シリカ」をブレンドした製品が急速に台頭し、従来の「鉱物由来(天然水)」ブランドとの間で激しいシェア争いが繰り広げられているのだ。
植物由来シリカは、多孔質構造に起因する体への馴染みやすさや、環境負荷の低さを前面に打ち出し、Z世代やエシカル志向の消費者を中心に熱狂的な支持を集めている。一方で、大自然が何十年もかけて磨き上げた天然の鉱泉水派も譲らない。「余計な加工をしていない大地の恵み」というストーリー性と、炭酸水タイプや超軟水タイプなどバリエーションの豊富さで根強い人気を誇る。選択肢が増えたことで、消費者は自身の価値観や飲用シーンに合わせた選定を迫られている。