『料理の鉄人』を語る上で欠かせないのが、黒や原色のド派手なマントとフリルシャツを身に纏い、貴族的な威厳をもって君臨した「鹿賀主宰」の存在です。この架空のキャラクターを完璧に成立させた背景には、鹿賀丈史氏の卓越した俳優キャリアが存在します。
1950年生まれの鹿賀氏は、1972年に劇団四季へ入団。『ジーザス・クライスト=スーパースター』のタイトルロールなど数々の名作で主演を務め、退団後も『レ・ミゼラブル』の初代ジャン・バルジャン役や『ジキル&ハイド』など、日本ミュージカル界の金字塔を打ち立ててきました。同時に、映画『野獣死すべし』や大河ドラマ『翔ぶが如く』など、重厚な演技派俳優としての確固たる地位を築いていました。
その実力派トップ俳優が、バラエティ番組において「美食を極めるあまりキッチンスタジアムを建設した大富豪」という突飛な設定を、一切の照れや妥協なく演じ切ったことこそが、番組に奇跡的な説得力を与えました。
鹿賀丈史氏の現在(2026年状況)においても、その表現力と存在感は健在です。70代半ばを迎えた今もなお、大型ミュージカルの特別出演や重厚なサスペンスドラマ、ナレーション分野で圧倒的な美声を響かせており、日本の芸能界における唯一無二のプレステージを保ち続けています。関係者の証言によると、現場でのストイックな役作りと作品に対する誠実な姿勢は、キッチンスタジアム時代から現在に至るまで一貫して変わっていません。