二人の運命の歯車が動き出したのは、2012年夏のことでした。共通の知人がセッティングした食事会で偶然同席したのが最初の出会いです。当時の祐未さんは相撲界に決して詳しいわけではなく、大関・琴奨菊という巨漢の力士に対しても、一人の誠実な男性として自然体で接したといいます。
当時、土俵上での重圧と度重なる怪我に苦しんでいた琴奨菊にとって、相撲界の上下関係や勝敗のプレッシャーとは無縁の場所で、誰に対しても分け隔てなく柔らかな笑顔を向ける祐未さんの存在は、乾いた砂に水が染み込むような安らぎをもたらしました。食事会を重ねる中で意気投合し、ほどなくして真剣交際へと発展します。
交際期間中、琴奨菊が見せたプロポーズの演出は、今なお角界の語り草となっています。彼が選んだのは、自作のオリジナル絵本を用いたサプライズでした。二人の出会いからこれまでの軌跡を温かいイラストと文章で綴り、最後のページには「僕のお嫁さんになってください」というメッセージ。さらに、プレゼントされたエルメスの手袋の中に、密かに婚約指輪を忍ばせておくという、屈強な体躯からは想像もつかないほど繊細でロマンチックな演出で見事に祐未さんのハートを射止めました。
そして2016年1月30日、東京都内のホテルで盛大に執り行われた結婚披露宴は、まさにドラマのクライマックスのような輝きを放ちました。その直前の初場所で、琴奨菊は日本出身力士として実に10年ぶりとなる悲願の幕内最高優勝を達成。賜杯を抱いた直後の披露宴という最高の晴れ舞台で、純白のウェディングドレスに身を包んだ祐未さんの姿がメディアに公開されると、テレビ各局やネットニュースは「美しすぎる新婦」の話題で一色に染まりました。