関東連合という集団を完全に崩壊へ追いやった決定打が、2012年9月2日未明に発生した「六本木クラブ襲撃事件(通称:フラワー事件)」です。六本木の雑居ビル2階にあったクラブ「フラワー」のVIP席に、金属バットを持った目出し帽姿の男たち十数人が乱入。飲食店経営者の男性客を集団で執拗に殴打し、頭蓋骨骨折などにより死亡させました。
この事件が社会に凄まじい戦慄を与えた最大の理由は、完全な「人違い(誤認殺人)」であった点にあります。捜査資料および公判での証言によると、見立真一らは、長年にわたり対立関係にあった別の有名アウトロー兄弟の弟が来店しているという誤った情報を鵜呑みにし、確認も不十分なまま急襲を指示しました。しかし、VIP席に座っていた被害者の男性は、暴走族とも反社会的勢力とも一切関係のない、まったくの一般市民でした。
柴田大輔氏が著書『いびつな絆 関東連合の真実』で赤裸々に描いた通り、当時のグループ内では見立真一による暴力と恫喝を背景とした「絶対服従の恐怖支配」が完成していました。「見立の命令に逆らえば、自分や家族が何をされるかわからない」という極限の心理状態に置かれたメンバーたちは、標的が別人である可能性を疑うことも、暴走を止めることもできず、白昼堂々の凶行に加担する結果となったのです。
無関係の一般人を残虐に死に至らしめたこの事件は、警察当局の威信を完全に傷つけ、警視庁による「壊滅作戦」を発動させる契機となりました。防犯カメラリレー捜査によって実行犯グループは次々と特定・逮捕され、リーダーの見立真一が海外逃亡したことで、組織としての関東連合は事実上の完全壊滅を迎えました。