二人の代表作として真っ先に名が挙がるのが、永遠の名曲「ハナミズキ」だ。この楽曲が誕生した背景には、9・11アメリカ同時多発テロという痛切な世界的悲劇が存在していた。一青窈がニューヨークの友人を想い、祈りを込めて書き上げた歌詞。そこに小林武史が吹き込んだのは、どこまでも優しく、しかし確かな強度を持ったメロディと緻密なアンサンブルだった。
「君と好きな人が百年続きますように」という切実な願い。スタジオでの制作過程では、ミリ単位の音作りと歌詞の推敲が繰り返された。セッションの中で生まれた偶然の響きを小林が見逃さず、一青の抑揚を極限まで引き出したことで、楽曲は単なるラヴソングを超えた「平和への祈り」へと昇華したのだ。