テノデーシスアクションの仕組み解剖|C6頸損とリハビリの全貌

テノデーシスアクションの仕組み解剖|C6頸損とリハビリの全貌

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日本リハビリテーション医学会等の臨床指針においても、頸髄損傷(Cervical Cord Injury)患者の自立度予測においてC6レベルの残存は極めて大きな分岐点と位置づけられています。C6完全麻痺(ASIA機能障害尺度 A)の患者は、第6頸髄節までの神経支配が保たれているため、肩関節の動きや肘の屈曲(上腕二頭筋)に加え、手関節の背屈筋である長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋を自力で動かすことができます。しかし、C8やT1支配である手指の屈筋や手内筋は完全に麻痺しており、自力で指を一本も握り込むことができません。

ここでテノデーシスアクションが決定的な役割を果たします。手関節の強い背屈運動をトリガーとして手指の受動的屈曲を引き出すことで、以下のような日常生活動作(ADL)の劇的な獲得が可能になります。

  • 食事動作:スプーンやフォークの柄を手掌と指の間に挟み込み、手関節を背屈させて把持をロックすることで自力摂取が可能になる。
  • 書字・デバイス操作:ペングリップやスタイラスペンを母指と示指の間に挟み、手首の角度調整によって一定の筆圧を維持する。
  • 整容・衛生動作:歯ブラシや髭剃りの把持、さらには自己導尿カテーテルの保持動作を代償機能で成立させる。
  • 更衣動作:ループ付きの衣服やズボンのウエストバンドに指を引っ掛け、手首を起こしてロックをかけながら引き上げる。

医療関係者の臨床報告によると、テノデーシスアクションを実用レベルまで研ぎ澄ました当事者は、介助なしで食事やPC操作を完遂できるようになり、車椅子駆動時のハンドリム保持力向上と合わせて、社会復帰への足がかりを大きく切り開いています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。