放送開始から数年が経った2026年のアニメ評論界隈やSNSコミュニティにおいて、本作の評価は放送当時以上に高まりを見せています。その主たる要因は、ファンタジーの甘さに逃げず、生命倫理と人間の限界をリアリズムに徹して描き抜いた物語構造です。
本作の基本プロットは、地球を蝕む病原体のような悪の組織「ビョーゲンズ」に対し、地球のお医者さん見習いである妖精たちと心を通わせた少女たちが立ち向かうというもの。しかし、物語が進むにつれて提示されたのは、「病気や理不尽な災禍は、清らかな心や祈りだけで綺麗さっぱり消し去ることはできない」というシビアな現実でした。
制作スタッフがインタビューや各種メディアで明かしていた通り、本作のモチーフには「医療の手当て」「生きる責任」という重厚なテーマが最初から組み込まれていました。東映アニメーションのプロデューサー陣やシリーズ構成を務めた香村純子氏が提示したのは、単なる勧善懲悪でも安易な全肯定でもありません。「病に倒れることの苦しみ」「他者を思いやることの限界」「それでもなお自分と大切な誰かのために生き抜く意志」という、生きることの生々しい本質でした。この妥協のない誠実さが、長きにわたり大人から子どもまで幅広い層の心を捉え続ける源泉となっています。