与党がとりまとめた2026年度税制改正大綱の行間には、国家財政の逼迫と格差是正の狭間で揺れる政治の苦悩がにじむ。石破茂首相が掲げる「納得と共感」の税制改革は、表向きは富の再分配を強化するポーズを見せつつも、実質的な増収を狙う財務省のシナリオに沿って進められている側面を否定できない。
防衛費の増額や社会保障費の膨張を背景に、税収基盤の拡大は待ったなしの課題だ。政府与党は高所得層への負担増を押し出すことで世論の支持を得ようとするが、その波及効果は中堅所得者にまで及ぶ。財務省が狙うのは、税負担の公平化という名目のもとで段階的に課税ベースを広げる戦略だ。政治主導のパフォーマンスの陰で、国民の負担感は静かに、しかし確実に増している。