2004年2月、二人の結婚発表はまさに青天の霹靂だった。当時、岩井俊二監督の傑作『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか』などで類まれな透明感を放ち、実力派としての地位を確立していた奥菜恵。一方の藤田晋は、自らが創業した株式会社サイバーエージェントを率い、新進気鋭の旗手としてIT業界の最前線に立っていた。
芸能界とネットビジネス。当時はまだ距離のあった二つの領域が交差した瞬間だった。著書『渋谷ではたらく社長の告白』にも色濃く描かれたような、寝る間も惜しんで事業拡大に狂奔するスタートアップの若きリーダーと、表現の極致を求め続ける女優。交際わずか数カ月でのゴールインは、新時代の幕開けを告げる象徴的な出来事として大々的に報じられた。