本作を語る上で避けて通れないのが、出版社である「竹書房」に対する執拗な破壊描写だ。ビルを粉砕し、版元を「指定暴力団」と呼ぶ破天荒なネタは、単なるギャグの領域を完全に逸脱している。なぜこれほどまでに怒りの矛先が出版社へと向けられたのか。
その真相は、過剰な商業主義に対するメタ的な批判と、作者・大川ぶくぶ独自のユーモア感覚の融合にある。連載打ち切りと再開を繰り返すパフォーマンス自体が、コンテンツビジネスへの冷ややかな皮肉として機能しているのだ。読者はその過激な行いに呆れつつも、自己言及的でどこか解放感のある「怒り」のパフォーマティブな爆発に熱狂した。