八木さんを突然襲った線維筋痛症の症状と原因は、医学的にも非常に複雑です。この病気は、血液検査やレントゲン、MRIなどの一般的な画像診断では明らかな異常が見つからないにもかかわらず、全身の筋肉や関節、皮膚などに耐え難い慢性痛が生じる疾患です。
主な症状には以下のような特徴があります。
・服が擦れるわずかな刺激や風が当たるだけでも激痛が走る「アロディニア」現象
・全身の広範な部位に広がる持続的なこわばりと激しい痛み
・重度の疲労感、不眠、頭痛、抑うつ感など自律神経系の複合的な不調
発症メカニズムは完全には解明されていませんが、脳の中枢神経系における痛みの伝達・抑制機能にエラーが生じ、痛みのブレーキが効かなくなってしまうことが主な要因と考えられています。長年の過密スケジュールによる慢性的なストレスや疲労の蓄積、感染症などがトリガーとなって発症するケースが多く、八木さんの場合も多忙を極める活動の中で知らず知らずのうちに限界を超えていた可能性があります。