ショルダーホンの登場から2年後の1987年、NTTはついに肩掛けベルトを廃止し、手で持てるサイズの端末「TZ-802型」を投入しました。これこそが、正式に「携帯電話」という名称が使われた日本初の本格的な携帯電話機です。
ショルダーホンの約3kgから、TZ-802型は約900gへと一気に3分の1以下へ軽量化されました。体積も約1,500ccまで凝縮され、片手で受話器部分を握り、頭頂部のロッドアンテナを引き出して通話するスタイルが確立された歴史的名機です。
約900gという重さは現在の視点で見れば辞書1冊分に匹敵する重量ですが、当時は「カバンに収まる通信革命」として絶賛されました。第1世代(1G)のアナログ周波数変調方式を用い、基地局とのハンドオーバー技術を磨き上げたことで、後の小型化競争の火蓋が切って落とされたのです。