日本のポップカルチャー史を語る上で、株式会社サンリオの創業社長である辻信太郎が掲げた「スモールギフト、リトルスマイル」の理念は欠かせない。1970年代、それまで実用性一辺倒だったファンシー文具のマーケットに、同社は感情を豊かに彩るデザインという新しい価値を吹き込んだ。ハローキティを生み出した清水侑子をはじめとするデザイナーたちの自由な発想から、数々の伝説的キャラクターが産声を上げたのだ。
1970年代半ばに登場したパティ&ジミーは、アメリカ西海岸の開放的なライフスタイルを象徴する存在として爆発的な人気を博した。さらに1979年にデビューしたタキシードサムは、ペンギンをモチーフにした立体的なフォルムと英国風の上品な配色で、当時の若者たちの心を掴んだ。彼らは単なるイラストではなく、ストーリー性と独自の世界観を持った日本発のファンシーキャラクターのパイオニアだったのである。