山手線のガードをくぐり百人町へと足を伸ばすと、ハングル、中国語、ベトナム語、ネパール語の看板が視界を埋め尽くす。新大久保はもはや単なる「韓流ショップの街」ではない。東南アジアや南アジアの起業家たちが続々と小さなスパイス店やIT関連のマイクロビジネスを立ち上げ、独自の経済圏を築き上げている。
スマートフォン決済が標準化し、店頭ではAI翻訳ディスプレイを介して異なる言語の住人同士が商談を交わす光景が日常化した。異なるルーツを持つ人々が、同化することなく互いのテリトリーを尊重しながら利益を共有する。この剥き出しの多文化共生モデルは、人手不足に悩む日本社会全体に対する、ある種の過激な社会実験とも言える。