彼のキャリアを語る上で絶対に外せない転機がある。9歳で役者活動を始めた彼が、一躍脚光を浴びたのが2008年公開の映画『トウキョウソナタ』だ。世界的名匠として知られる黒沢清監督のもと、クラシックピアノの才能を秘めた少年役を熱演。家族の崩壊と再生を描いた重厚なヒューマンドラマの中で、弱冠12歳にして圧巻の存在感を示した。
この作品での名演によってキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞など数々の賞を受賞。子供らしさと大人びた静謐さが同居する独特の眼光は、映画関係者たちに鮮烈な印象を与えた。その後、安藤サクラや満島ひかりらを輩出してきた名門プロダクション「ユマニテ」に所属。若手時代から目先の知名度ではなく、じっくりと役に没頭できる環境で表現力を磨き上げていった。