1970年代のデビュー以来、彼女が歩んできた道は常に日本のドラマ史と並走してきた。とりわけホームドラマや時代劇での存在感は際立ち、親しみやすさと品格を併せ持つ稀有なヒロインとして全国的な人気を博した。「理想の嫁」というパブリックイメージは、一歩間違えれば固定観念の枠に縛られかねない諸刃の剣でもある。だが、彼女はそのイメージを優しく裏切りながら、母親役、上司役、さらには一癖ある市井の女性まで、演じる幅を拡大させていった。
現場での評価も一貫して高い。共演者やスタッフからは「どんな現場でも空気を雰囲気を和らげる柔らかさがある一方で、セリフひとつに対する集中力が凄まじい」と評される。役に過度な主張を込めず、作品全体を静かに下支えする確かな演技力。それが、50年近くにわたり第一線で求められ続ける最大の理由だろう。