警察庁が公表する最新の犯罪統計によれば、万引き被害の認知件数は高止まりを続けており、発覚しているケースは氷山の一角に過ぎない。被害による商品ロスは、粗利益率の低い小売業界にとって死活問題であり、地方の書店やドラッグストアが倒産に追い込まれる主因の一つにもなっている。
業界全体での年間被害総額は数百億円から千億円規模に達すると見積もられており、その損失を補てんするために商品の販売価格が引き上げられれば、巡り巡って一般の消費者が被害を被ることになる。省人化店舗やセルフレジの導入が加速する一方で、防犯対策の穴をいかに塞ぐかが、店舗経営の存続を左右する重大課題となっている。