国の最高権力者を決める手続きは、感情や野心だけで動くわけではない。厳格な法的根拠に基づいている。その土台となるのが日本国憲法第67条だ。憲法は「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の決議でこれを指名する」と明記している。国民が直接投票で選ぶのではなく、国民の代表として選ばれた国会議員が指名する「間接民主制」の形態をとる。
具体的なプロセスが「内閣総理大臣指名選挙」だ。本会議場において、すべての議題に先立って行われる。国会議員一人ひとりが候補者の名前を書き、投票箱へと向かう。衆議院と参議院の両院でそれぞれ指名を行うが、もし両院で異なる人物が指名された場合はどうなるのか。ここにも憲法の知恵が詰まっている。