かぎ針編みでフリルを作ろうとした際、「なぜかフリルにならず、少し波打っただけの分厚い板のようになってしまう」という現象には明確な幾何学的理由があります。フリルとは、本来の平らな面積に対して過剰な編み目を意図的に詰め込むことで生まれる立体的な「たわみ(ドレープ)」です。
波打たない典型的な原因の第1は、フリル編み波打たせる方法における「増し目の絶対数不足」です。例えば、前段の1目に対して1目だけ増やす(2目編み入れ)程度では、緩やかなフレア(末広がり)にしかなりません。はっきりとしたリズミカルな波打ちを作るには、前段の目数に対して「2倍〜3倍以上」の急激な目数増加が必要になります。
第2の原因は、糸を強く引きすぎる「手のキツさ(テンション)」です。目が詰まりすぎると編み地が硬直化し、布地のようにしなやかに折れ曲がることができなくなります。フリル部分を編む際は、本体を編んだかぎ針よりも1〜2号太いかぎ針に持ち替えるだけで、編み目がふんわりと立ち上がり、驚くほど自然なドレープを描くようになります。