新條まゆを語る上で避けて通れないのが、過密な執筆スケジュールや作家の権利を巡る大手出版社との衝突、そしてそこからの鮮やかな独立劇だ。当時、人気絶頂期にありながら自身のブログ等で過酷な現場の実態や著作権を巡る不条理を明かした彼女の行動は、業界内に大きなショックを与えた。
当時は異端と見なされることもあったその姿勢だが、編集部主導から作家個人のセルフブランディング時代へと移行した現在の視点で見れば、まさに時代を15年先取りしていたと言える。自らの作品と身を守るために声を上げ、独立して自走する道を選んだ彼女の選択は、現在の若手クリエイターたちにとって一つの重要な道標となっている。