御宿町の海岸線に位置する釣師海岸へ通じる獣道や降り口には、現在明確な封鎖フェンスや警告看板が設置されています。行政および地元関係者が強硬な進入規制を継続している背景には、単なるマナー問題にとどまらない「人命に直結する物理的危険」が存在します。
房総半島東岸の海岸段丘は、主に砂岩や泥岩からなる軟弱な地層で形成されています。外房特有の激しい波浪と風化作用を受け続けているため、地盤の脆弱化が極めて速いスピードで進行しています。特に近年の相次ぐ大型台風や局地的大雨、地震の影響により、海食崖の大規模な崩落や無数の落石が頻発するようになりました。行政機関や専門家の現地調査でも「いつ頭上から巨大な岩塊が落下してもおかしくない」と判定されており、安全を担保する術がないことが立入禁止の主因です。
さらに、海岸へ降りる唯一のアプローチとされていた小道が私有地や保安林に隣接していること、道幅が狭く足元が切り立った崖であるため滑落事故のリスクが極めて高いことも重なり、自治体や警察・消防による協議の上で完全閉鎖の措置が徹底されています。