ネット上のチュートリアルでは「このアタリ線をなぞれば誰でも描ける」といった解説が散見されますが、ここに初心者が足を取られる大きな落とし穴が存在します。
最大の間違いは、「アタリの線をなぞる作業に終始し、立体の厚みを意識していない」点です。アタリはあくまで設計図の基準点に過ぎず、皮膚の下にある頭蓋骨の凹凸や筋肉の厚みを想像しなければ、無機質で生気のないイラストになってしまいます。
さらに、「左右対称であることが美しさの絶対条件」という思い込みも危険です。完全な幾何学的対称性は、かえって不気味の谷(人形のような不自然さ)を引き起こします。奥と手前のパース差を忠実に反映した「意図的な非対称性」こそが、画面に説得力のある空間と生命感を吹き込みます。