モリオンギ(水揚げ)が行われる年齢は、おおむね数え年で15歳から16歳前後が一般的でした。女性の成人儀礼である「笄礼(ケイレイ)」の年齢に合わせたもので、芸の基礎修行を終えて美貌が最も輝く時期とされていました。
少女の水揚げ権を得るためにパトロンが支払う費用は天文学的な金額に達しました。水揚げにかかる主な支出には以下のようなものがありました。
数日間にわたる宴会費用や親族・関係者への祝儀、少女が身につける最高級の韓服や装飾品、さらには彼女の家族や教坊への謝礼・持参金です。これらを現在の貨幣価値に換算すると、数百万円から名妓相手であれば数千万円規模に達することも珍しくありませんでした。
莫大な費用を支払って水揚げを行ったパトロンは、彼女の「ギドゥンソバン(柱亭主=旦那)」となり、生活の面倒を全面的に見る後見人としての責任を負いました。官職にある両班にとって、評判の美貌と教養を持つ若手キーセンを水揚げすることは、自身の財力と権力を誇示する最高のステータスシンボルでもあったのです。