獣医師としての視点と、現場に根ざした研究手法。その双輪を駆動させながら彼が長年取り組んできたのが、東京農業大学における「アニマルセラピー研究プロジェクト」だ。馬や犬といった動物と人間が接することで、心身の健康やリハビリテーションにどのような影響を及ぼすのか。彼は定量的なデータ収集と定性的な心理変化の双方からアプローチを続けている。
医療現場や福祉施設における動物の存在感は年々増している。特に高齢者施設や児童発達支援の現場において、馬を用いたホースセラピーがもたらす運動機能の回復や感情の安定効果は著しい。単に「癒やされる」という感覚的な評価で終わらせず、バイタルデータの変化や行動分析を通じて科学的なエビデンスを立証した実績は、研究者の間でも高く評価されている。動物の福祉(ウェルフェア)を守りつつ、人間の心身を癒やす。この双方向の幸福を追求する姿勢こそ、彼の真骨頂と言える。