ネット上のコミュニティやSNSでは、「出場枠が48カ国に広がったことで強豪が分散し、死の組は消滅した」という楽観論が散見されます。しかし、現場のスポーツ科学や大会構造を分析すると、まったく別の危機が見えてきます。
2026年大会における「真の死の組」は、単に対戦相手が強いグループではなく、「過酷な移動スケジュールと気候環境が組み合わさったグループ」です。
本大会は、西海岸エリア(バンクーバー、シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルス)、中央エリア(ダラス、ヒューストン、カンザスシティ、メキシコシティ、モンテレイ、グアダラハラ)、東海岸エリア(ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、マイアミ、アトランタ、トロント)の3つの地域クラスターに分かれています。
もし組み合わせ抽選によって「初戦が酷暑・高地のメキシコシティ(標高約2,240m)→第2戦が冷涼なカナダ・バンクーバー→第3戦が湿度の高いアメリカ南部マイアミ」といった広域移動を強いられるグループに入った場合、選手の心肺機能とリカバリーにかかる負荷は計り知れません。対戦国のネームバリュー以上に、「どの都市の会場クラスターに割り当てられるか」が死の組の決定打となるのです。