近年の二人の心境の変化は、メディアでの言動からも顕著に読み取れる。母・藤田紀子は『サンデー・ジャポン』などの情報番組に出演した際、かつての固い表情とは対照的に、穏やかな笑みを浮かべながら息子の健康や未来を気遣うコメントを残すようになった。
一方の貴乃花も、自身のYouTubeチャンネルや民放のスポーツドキュメンタリー番組において、過去の家族に対する思いを静かに語り始めている。若き日の尖鋭的な言葉遣いは影を潜め、自分を育ててくれた両親への感謝や、二子山部屋で過ごした年月を客観的に捉え直す姿勢がうかがえる。過剰な演出が削ぎ落とされたデジタルメディアの場で発せられる言葉には、長年の葛藤を乗り越えた者だけが持つ深みが宿っていた。