激闘の裏には、人知れぬ苦悩と壮絶なドラマが存在する。第71代横綱の鶴竜 力三郎は、しなやかな体捌きと変化に富んだ技のキレで相手を翻弄した。派手さこそ控えめだが、相手の攻めをいなす玄人好みの相撲美学は、今なお多くのファンを魅了してやまない。
一方、大関から序二段まで陥落しながらも奇跡の復活を果たし、第73代横綱へ登り詰めたのが照ノ富士 春雄だ。両膝の激痛と病魔に苛まれながらも、土俵に立ち続けたその執念。巨体から繰り出される豪快な極め出しと万力のような寄り切りは、逆境に屈しない圧倒的な意志の証明であった。