群舞において「9」という数値が持つ意味はきわめて特殊だ。3×3の完全なグリッドを組むこともできれば、センターに圧倒的な存在感を1人配し、左右に4人ずつを流線型に配置することもできる。この奇数ならではの幾何学的な柔軟性が、振り付けの幅を飛躍的に拡張しているのだ。
かつて多人数グループといえば、大迫力の「力押し」という印象が強かった。しかし現在の潮流はまったく異なる。個々のアイデンティティを殺すことなく、9つの個性が絡み合いながらひとつの巨大な有機体として蠢く。その変貌の裏には、フォーメーション展開の高速化と、視線誘導の徹底的な洗練が存在している。