バッシュ選びにおいて、ブランドごとのラバー配合思想とアウトソールのパターン設計を把握することは、グリップ力トラブルを未然に防ぐ最大の防衛策となります。特に国内市場で二大巨頭を形成するアシックスとナイキでは、グリップに対するアプローチが大きく異なります。
アシックスのバッシュが誇る圧倒的なグリップ力の秘密は、独自開発の「NCラバー(天然ゴム高配合コンパウンド)」にあります。一般的な合成ゴムに比べて天然ゴムの比率を大幅に高めたNCラバーは、非常にしなやかで日本の湿潤な気候や学校体育館特有のウレタン塗装フロアに対して吸い付くような接地感を発揮します。「GELBURST(ゲルバースト)」シリーズや「UNPRE ARS(アンプレアルス)」シリーズは、ハードなカッティング動作でもフロアを確実に噛み込み、ホコリっぽい劣悪な環境下でも制動力を失いにくい設計として、指導者や実業団選手からも絶対的な信頼を寄せられています。
対するナイキのバッシュは、鋭いトラクションパターンと接地面積の最適化によって高次元のストップ&ゴーを実現しています。しかし、ナイキ製品を選ぶ際には「ソールのラバー仕様」に細心の注意を払う必要があります。屋外コート向けに耐久性を高めた高硬度ラバー「XDRソール」や、見た目の美しい「クリアソール(トランスルーセントラバー)」は、冷え切った冬場の体育館やホコリの多いフロアで硬化しやすく、スリップを引き起こしやすい傾向があります。体育館でのグリップ最強を求めるのであれば、ソリッドラバー(単色不透明ラバー)を採用した「G.T. CUT」シリーズや「JA 1(ジャ・モラント)」など、接地感に定評のあるモデルを選ぶのが賢明な判断です。