阿部寛の若い頃は超絶イケメン!カリスマモデルから借金・怪優への全軌跡

阿部寛の若い頃は超絶イケメン!カリスマモデルから借金・怪優への全軌跡

阿部寛の若い頃は超絶イケメン!カリスマモデルから借金・怪優への全軌跡の概要と注目ポイントを一挙に解説しました。

どん底にあった阿部寛の運命の歯車を大きく回したのは、1993年、伝説の劇作家・演出家であるつかこうへい氏との邂逅でした。舞台つかこうへい 熱海殺人事件 転機となった『モンテカルロ・イリュージョン』への出演です。

つか氏が彼に与えた役柄は、バイセクシャルの敏腕刑事・木村伝兵衛でした。それまでの爽やかで端正な二枚目イメージを根底から覆す、狂気と情念に満ちた難役です。稽古場ではつか氏から怒号が飛び、これまでのモデル経験や中途半端なプライドは徹底的に粉砕されました。

当時の舞台関係者の証言によると、阿部寛は汗と唾を撒き散らしながら絶叫し、己の身体を床に叩きつけるような壮絶な演技を連日繰り広げました。この舞台を境に、業界内の阿部寛 演技力の評判とブレイクへの胎動が一気に加速します。「あの元モデルのイケメンが、化け物のような芝居をしている」と演劇界が震撼したのです。

プライドを完全に脱ぎ捨てた阿部は、その後Vシネマの悪役から、バラエティ番組の再現ドラマ(『あの人は今!?』などでかつての有名人を演じる役回り)に至るまで、求められればどのような泥臭い仕事も引き受けました。かつてのカリスマモデルが、現場を選ばず愚直に芝居と向き合う姿は、次第にテレビ局のクリエイターたちの心を捉えていきます。

そして2000年、テレビ朝日系ドラマ トリック 上田次郎役との出会いが訪れます。仲間由紀恵演じる山田奈緒子との軽妙な掛け合い、プライドが高く臆病で巨躯を持て余す自称・天才物理学者という唯一無二のキャラクターを見事に演じ切り、日本中に爆笑の渦を巻き起こしました。シリアスな二枚目ではなく、「間抜けな大男」を愛嬌たっぷりに演じる怪優・阿部寛の誕生でした。

さらに2006年には、フジテレビ系列の結婚できない男 桑野信介役で主演を務めます。偏屈で皮肉屋、ルックスも社会的地位もあるのにコミュニケーションに難がある独身建築家・桑野の生態を、絶妙な表情筋の動きと独特の所作で体現。ドラマは平均視聴率16.9%、最高視聴率22.0%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)を記録する社会現象となり、彼は名実ともに日本のドラマ界のトップランナーへと登り詰めました。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。