カンヌ国際映画祭をはじめ世界的な評価を受ける是枝裕和監督の手によって再構築されたNetflix版『阿修羅のごとく』は、向田邦子の台詞の切れ味をそのままに、現代の映像美へと昇華させています。
是枝演出の真骨頂である「食卓の風景」や「何気ない仕草の積み重ね」が、姉妹たちの言葉の裏にある本音を雄弁に物語ります。お茶をすする音、台所での包丁の響き、ふとした瞬間の目線の交錯から、互いへの羨望や軽蔑、そして根底にある血の繋がりが滲み出します。
宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すずという主役級女優4人がワンフレームに収まる贅沢さに加え、父・恒太郎を演じる國村隼、不気味なほどの包容力を見せる母役のキャスティングなど、脇を固める布陣も隙がありません。