日本における『さすらいのギター』の受容を語る上で欠かせないのが、エレキギターの神様として絶大な人気を誇ったザ・ベンチャーズの存在です。彼らは1971年に『マンチュリアン・ビート』を『さすらいのギター』の邦題でカバーし、シングルとしてリリースしました。
モズライト・ギターの硬質なアタック音と深みのあるスプリングリバーブを効かせたベンチャーズの演奏は、日本人の情緒に完璧に合致しました。オリコン洋楽チャートを駆け上がり、彼らの日本における代表的ヒット作の一つとして記録されます。
さらに、日本のエレキギター界のパイオニアである寺内タケシとブルージーンズもこの楽曲をレパートリーに加え、神業とも言えるトレモロピッキングと独自のこぶしを効かせた解釈で演奏を披露しました。日本独自のエレキインスト文化の中で、ロシア由来のメロディは完全に日本人の心に深く根づくことになったのです。