結論から言えば、一般的な食生活においてアガーが毒性を示したり、健康を著しく害したりすることはありません。それにもかかわらず、「アガーは危険」「口にしないほうがいい」という極端な言説がネット上で繰り返し拡散されている背景には、大きく分けて2つの要因が存在します。
第1の要因は、アガーの主原料である海藻由来の凝固剤成分「カラギーナン」にまつわる発がん性疑惑です。一部の健康情報サイトや自然派志向のコミュニティにおいて、かつて動物実験で示された危険なデータが、文脈を無視したまま「アガー=危険物質」として短絡的に結びつけられてしまいました。
第2の要因は、アガーを摂取した直後に「お腹がゴロゴロする」「激しい下痢を起こした」という実体験が、SNSやQ&Aサイトに多数投稿されている点です。身体に異変を感じた一般ユーザーの切実な声が、「もしかして毒性がある添加物なのではないか」という疑念に拍車をかけています。しかし、これらは毒物による中毒症状ではなく、食物繊維の過剰摂取に伴う消化不良や浸透圧性の生理現象に過ぎません。まずは、最大の懸念点であるカラギーナンの発がん疑惑から検証していきます。