タイが緩和と再規制の間で揺れる一方、アジアの大半の国々は徹底した不寛容政策を貫いている。シンガポールでは、一定量以上の所持や密輸に対して容赦なく死刑が適用され、帰国した自国民が国外で消費した場合であっても尿検査等で陽性となれば処罰対象となる。インドネシアやマレーシア、中国においても、大麻は麻薬と同等あるいはそれ以上に厳しく処罰される。
こうした国々の姿勢は、欧米の一部で広がる自決権や税収確保を重視した解禁の波に対する強い対抗策でもある。国際社会政治・薬物規制政策の観点から見れば、アジアは依然として「薬物に対するゼロ・トレランス(毅然とした拒絶)」を掲げる強固なブロックとして機能している。一国の法改正が近隣諸国の安全保障や治安に与える影響に対する懸念は根強く、アジア圏内での規制統一や調和に向けた道筋は見出せていない。