戦争の決着が1945年8月にもたらされた背景には、単一の出来事だけではなく、軍事・政治・国際情勢が複合的に作用した太平洋戦争の終戦理由が存在します。歴史研究の現場で重視される主な要因は以下の4点です。
第一に、戦力と補給の限界です。長期化する戦闘と海上封鎖によって石油やレアメタルなどの重要資源が完全に枯渇し、本土決戦を継続するための兵器・弾薬・食糧の補給線が破綻していました。
第二に、広島・長崎への原子爆弾投下です。8月6日の広島、8月9日の長崎に対する新型兵器の投下は、政府および軍部指導層に甚大な心理的衝撃と即時講和への決定打を与えました。
第三に、ソ連による対日参戦です。当時、日本政府は日ソ中立条約を頼りにソ連を介した和平工作を模索していましたが、8月8日深夜のソ連参戦によって外交的活路が完全に絶たれました。
第四に、国体護持に対する一定の見通しです。ポツダム宣言受諾にあたり、天皇の統治権に関する連合国側の回答(バーンズ回答)を解釈する中で、最終的に天皇陛下の御聖断が仰がれたことが終戦を決定づけました。