あべ静江の芸能界における原点は、東海ラジオの人気DJ「し〜ちゃん」としての活動でした。女子大生DJとして絶大な人気を誇っていた彼女の端正な顔立ちと声の魅力にスカウト陣が惚れ込み、1973年5月にシングル『コーヒーショップで』で鮮烈な歌手デビューを飾ります。
デビュー曲はオリコンチャート上位にランクインし、同年の「第15回日本レコード大賞」新人賞を受賞。さらに同年9月にリリースされた2枚目のシングル『みずいろの手紙』は、冒頭の切ない語り(セリフ)が当時の若者を中心に大ブームを巻き起こし、約27万枚のセールスを記録する特大ヒットとなりました。
この大ヒットにより、デビュー年でありながら『第24回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たします。「フリージアの香り」と形容された透明感あふれる美貌と知的な眼差しは、当時のアイドル・歌謡曲シーンにおいて唯一無二の存在感を放ちました。その後は歌手活動にとどまらず、人気学園ドラマ『青春ド真中!』や映画への出演など、女優としても第一線で華々しいキャリアを築き上げました。