アメリカ独立宣言が放った強烈なメッセージは、大西洋を越えて瞬く間に世界を揺るがしました。最も直接的な影響を受けたのがフランスです。独立戦争に援軍として参加したラファイエット侯爵らは、帰国後に勃発した1789年のフランス革命において「人間と市民の権利の宣言(フランス人権宣言)」を起草。その自由と平等の理念は、ジェファーソンの文面を色濃く反映しています。
さらに19世紀初頭には、スペインやポルトガルの支配下にあった中南米諸国の独立運動を強く鼓舞しました。
この潮流は近代の日本にも大きな足跡を残しています。幕末から明治期にかけて福沢諭吉は『西洋事情』の中で独立宣言の全文を日本で初めて翻訳・紹介し、板垣退助らの自由民権運動に決定的な理論的支柱を与えました。さらに第二次世界大戦後に制定された日本国憲法第13条(個人の尊重・幸福追求権)や前文の平和主義・国民主権の理念にも、1776年に紡がれた言葉が直接的に息づいています。