「アメリカ人の背は意外と高くない」「ここ数十年で伸び悩んでいる」という噂は、都市伝説ではなく確かな事実です。歴史人口学や公衆衛生学の記録を遡ると、南北戦争期から20世紀初頭にかけて、アメリカ人は世界で最も背の高い集団でした。広大な大地が生み出す豊富な肉や乳製品、急速な経済発展に伴う生活水準の向上が、体躯の成長を力強く後押ししていたためです。
状況が一変したのは20世紀後半でした。ヨーロッパ諸国が戦後の復興とともに急速に平均身長を伸ばす一方で、アメリカ人平均身長推移は1970年代から2026年に至るまで、およそ50年間にわたりほぼ水平のプラトー(停滞状態)を続けています。
その結果、World Population Reviewなどの世界平均身長ランキングにおいて、アメリカはかつての首位から大きく後退し、現在では世界40位前後にまで順位を下げています。世界一の高身長国として名高いオランダ(男性平均183.8cm、女性平均170.4cm)と比較すると、オランダ人アメリカ人身長比較では男性同士で実に8.5cmもの差が開いており、北欧やバルト諸国、バルカン半島の国々にも大きく水をあけられているのが現状です。ちなみに最新の世界ランキングにおいて、日本人男性は112位前後、日本人女性は141位前後に位置しており、世界的なスケールで見れば日米ともにトップ集団からは距離を置いた位置にあります。