問題の本質は、個人の暴挙だけで説明できるものではない。いわゆる「旧統一教会」こと世界平和統一家庭連合と、与党である自由民主党との間には、半世紀以上にわたる政治的互恵関係が築かれていた。昭和の冷戦期における反共運動を共通の足場として始まった接近は、やがて選挙支援や秘書派遣という実利的な協力関係へと変貌していく。
教団側は政界への影響力を拡大させることで社会的信用を獲得し、政治家側は集票マシンやボランティアスタッフとしての労働力を享受した。この構造的互助関係こそが、霊感商法や高額献金といった社会問題が長年放置された元凶ではないかと追及されている。権力と信仰が野合した暗部を直視することなしに、この問題の決着はあり得ない。