ネット検索やSNS上で「安倍元首相 持病」「過敏性腸症候群 安倍」といった組み合わせが頻繁に見られる背景には、病名や症状に対する一般的なイメージの混同があります。政治の重圧や激しいストレスに直面する中で腹痛や下痢を訴えていた様子が報じられたことから、「過度のプレッシャーによるストレス性胃腸炎や過敏性腸症候群(IBS)なのではないか」と解釈した層が一定数存在したためです。
安倍元首相が長年闘っていた正式な持病は「潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis)」であり、過敏性腸症候群ではありません。潰瘍性大腸炎は厚生労働省が定める指定難病(指定難病97)に指定されており、単なるお腹の不調とは一線を画す極めて重篤な自己免疫性疾患です。
病気の深刻さが十分に伝わっていなかった第1次政権時には、「お腹が痛くて投げ出した」といった心ない批判や揶揄が一部メディアで飛び交いました。この偏見と誤解が、結果として「ストレスによる過敏性腸症候群だったのでは」という記憶違いを定着させる一因となりました。