末期がんや神経難病に苦しむ患者にとって、緩和ケアは痛みを和らげる最良の手段とされてきた。現代医療は目覚ましい進歩を遂げたが、それでも完全に取り除けない激痛や精神的苦痛が存在することは否定できない。この「医療の限界」が、違法な薬物への手引きとなっている側面がある。
同時に、医療・製薬産業が果たすべき管理責任も問われている。安楽死や自殺介助に転用され得る鎮静薬や麻薬系医薬品の供給ラインにおいて、厳重なトレーサビリティの確保が不可欠だ。製薬企業は流出防止に躍起だが、国際的なサプライチェーンの隙間を突く横流し案件は絶えない。