安楽死や自死介助をめぐる倫理的葛藤は、カルチャーやアーツの世界でも繰り返し描かれてきた。クリント・イーストウッド監督の映画 『ミリオンダラー・ベイビー』 (Million Dollar Baby) は、尊厳死と積極的介入の狭間で揺れるトレーナーの葛藤を描き、アカデミー賞を受賞すると同時に大論争を巻き起こした。また、車椅子生活となった青年と介護者の愛と葛藤を描いた映画 『世界一キライなあなたに』 (Me Before You) も、若年層における自死介助の選択という重いテーマを社会に突きつけた。
ドキュメンタリー分野でもメディアの関心は極めて高い。英 BBC が制作した数々の番組は、当事者や家族の最後の瞬間に密着し、制度の功罪を冷徹に検証してきた。さらに、大手配信プラットフォームの Netflix では、各国の法的現場や当事者の声を捉えた 医療ドキュメンタリー が多数配信され、視聴者一人ひとりに「死の自己決定権とは何か」を問いかけ続けている。