漫画家・松井優征が生み出した『暗殺教室』の最大の魅力は、シュールなコメディと切ないドラマ、そして過激な設定の絶妙なバランスにある。実写映画化にあたり、烏丸惟臣という存在は物語を現実世界に繋ぎ止める重要な錨(いかり)の役割を果たしていた。
監督やスタッフ陣は、烏丸のシーンにおいて徹底してリアリズムを追求。コメディ寄りの演出に流されず、軍人としての冷徹さと教師としての苦悩を真摯に描いた。この演出方針があったからこそ、奇想天外な物語に確かな説得力が生まれ、大人も楽しめるエンターテインメントとして成立したのだ。