安藤百福の壮絶な生涯と逆転劇!48歳無一文から世界を変えた男

安藤百福の壮絶な生涯と逆転劇!48歳無一文から世界を変えた男

安藤百福の壮絶な生涯と逆転劇!48歳無一文から世界を変えた男にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

全財産を失った百福が目を向けたのは、終戦直後に焼け野原となった大阪・梅田の闇市で目撃した、一杯の温かいラーメンを求めて寒空の下に伸びる異様な行列の光景でした。「食足世平(食足りて世は平らか)」という強烈な信念を抱いた彼は、自宅の裏庭にわずか10平米(約3坪)の粗末な木造研究小屋を自力で建て、開発に着手します。

課した開発目標は極めて過酷な5条件でした。

  • 1. おいしく飽きがこないこと
  • 2. 保存性に優れていること
  • 3. 調理に手間がかからず、お湯を注ぐだけで食べられること
  • 4. 廉価であること
  • 5. 衛生的で安全であること

睡眠時間は1日4時間未満。製麺機と小麦粉、油まみれの鍋と格闘する日々が1年間続きました。最大の難関は「水分を抜いて長期保存可能にし、熱湯を注げば瞬時に元の食感に戻す」乾燥技術でした。天日干しや熱風乾燥では麺がボロボロになり、復元しません。

突破口を開いたのは、妻・仁子が夕食のために揚げていた天ぷらでした。衣が油の中で激しく泡立ち、水分が抜けて無数の小さな穴(多孔質)ができる様子を目の当たりにした瞬間、直感が閃きます。これこそが後に世界特許となる「瞬間油熱乾燥法」の誕生の瞬間でした。

1958年(昭和33年)8月25日、世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」が発売されました。1食35円。当時うどん1杯が6円程度だった時代において決して安価ではありませんでしたが、「お湯を注いで3分」という魔法のような利便性と本格的な鶏ガラスープの美味しさは爆発的な支持を集め、瞬く間に全国へ、そして世界へと波及していきました。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。