彼女の才能が凝縮された近年の代表作といえば、間違いなく『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』だろう。実在のお笑いコンビを題材にしたこのドラマで、安藤は姉・渡辺江里子役を熱演。相方役を演じた木村多江との息の合った掛け合いは、もはや演技の枠を超えた真実味を帯びていた。
地味でささやかな日常の機微を丁寧に拾い上げ、クスッと笑わせながらもふと涙を誘う。上質なヒューマンドラマとして高く評価された本作は、安藤の持つ包容力と緻密な役作りの賜物だ。誇張されたコメディに逃げることなく、生身の人間の温もりと孤独を同時に差し出すその芝居は、批評家からも絶賛を浴びた。